
(自宅の庭と山が地続きとなっている現在の葉山の家に越して来て)もう3年目になります。最初の年はいろいろ戸惑いましたね。虫は本当に多くて、ムカデが食器洗濯機に入っていたり…(笑)でも、娘が、朝、花を摘んで来てくれたり、薪ストーブ用の薪も拾ってきてくれます。虫が家の中に入ってくると、「外と家を、間違ってきちゃうんだねぇ」って笑ってくれていますね。
私は、生まれたのは鎌倉で、幼少時は沼津、静岡、水戸。その後、東京、横浜と住んできましたが、遊んでさえいればいいという時期を自然のなかで育ちました。走って帰ってくると長靴のなかにバッタが入っていたり。木登りもいっぱいしましたよ。つつじの蜜をすったり、レンゲソウで冠をつくったり。ザリガニもよくとりました。
ここでの生活のなかで、“香らせる”という意味でのアロマの使い方は本当に減った気がします。もともとアロマとは、東京で忙しく働いているときに出会いました。日常の生活のなかで、「あぁ、やっぱり気持ちいいなぁ」と、連れ戻してくれたんです。私は、アロマは、基本的に都会の人のrescue remedy(救急箱)だと思います。
アロマの効果にグラウンディング作用というのがありますが、自分の足の裏をしっかり大地につけることで呼吸を深くすることができるというものです。実際に脈拍が安定したりしますが、そういうアロマは木の幹の心材や根から取れるものに多いんです。
一方、枝葉から取れるものは、人間の横隔膜から上の上半身、呼吸器、思考の整理などの精神面などに効くものがすごく多いですね。
また、最近アロマは医療分野で使われてはじめています。介護やQOL(Quality of life) ※2 の現場、心療内科で抗うつ剤のかわりに使ったり、睡眠薬を減らしたりとか。そんなアロマの使われ方が随分増えて来ていますね。
ここに移り住んだ最初の年。庭にきれいなカラスウリがありました。冬枯れの山のなかで、あざやかなオレンジの実がなっていました。調べてみると、それをホワイトリカーに浸けると、霜焼けにいい、と。やってみたら、本当に随分とよくなったんです。木の方から“採って!”と話しかけて来たような気がしましたよ。感動しましたね。住んでいる場所に順応していく感じは生き物としてうれしいと実感しました。